最終更新: 2022年12月5日

法廷

一般的にカジノ法案と言われている統合型リゾート(IR)整備推進法案が、2016年12月に成立しました。日本においては、長年カジノは法律に違反しているとされてきましたが、この法案はカジノが日本にもできるということで動きが着目されています。

しかし、治安上の問題がある、あるいはギャンブル依存症になるなどの心配から、実際には現在でも多くこの法案に反対する意見があります。では、カジノ法案によって、今後ギャンブルは日本においてどうなるのでしょうか?ここでは、日本のカジノ法案についてご紹介しましょう。

カジノ法案とはどのようなものか?

カジノ法案というのは、統合型リゾート(IR)を作ろうという法律で、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」というのが正式な法律の名称です。この統合型リゾートというのは、MICE施設の展示施設・国際会議場、ホテル、映画館、劇場、ショッピングモール、アミューズメントパーク、スポーツ施設、温浴施設のスパなどの複合観光集客施設で、一部にカジノが含まれています。

MICE施設のMICEというのは、Meeting(会議)、Incentive Travel(研修旅行)、Convention(国際会議)、Exihibition/Event(展示会・イベント)の頭文字を表したものです。MICE施設というのは、このようなものが開催されるところです。カジノに関心がない人でも、商業施設がいろいろあるため楽しむことができます。統合型リゾートは、カジノを楽しむ人だけでなく集客が多く期待できることが魅力です。

カジノ法案の目的はどのようなものか?

現在、日本においては、一部のギャンブル以外は違法になっています。ギャンブル禁止の法律が江戸時代にあったほど、ギャンブルは日本においては古くから違法とされていました。では、どうして政府は統合型リゾートを作ろうとしたのでしょうか?

日本の経済を活発にするために外国人の観光客を集めることが、この目的の大きなものの一つです。いまだに日本の経済は低迷しているので、この現状を打開するために観光大国になることを目標にしています。日本製品を中国人の観光客が買う爆買いが流行しましたが、この爆買いは日本経済に与える影響は非常に大きいものでした。カジノ法案は、日本により多くの外国人の観光客に来てもらうためのものです。

どうしてカジノ法案は反対されているか?

カジノ法案に対しては、現在でも反対する意見が多くあります。この最大の理由は、やはりギャンブル依存症に対する心配です。日本においてカジノが合法的に楽しむことができるようになれば、ギャンブル依存症の人が多くなるという不安です。ギャンブル依存症に対しては、政府も入場規制などの対策が必要であるということで検討しています。

ギャンブル依存症以外には、治安が悪くなるなどというような心配もあります。カジノが開業されると多くの外国人が日本に来ると予想されており、その影響で治安が悪化するのではないかという声が多く上がっています。このような心配に対して、政府は対策をどのように行うのかが着目されています。

いつからカジノは始まるか?

カジノ法案は2016年12月に成立しましたが、ではいつからカジノは始まるのでしょうか?2025年程度からカジノが始まるのではないかというのが、有識者の予測です。当初の話は、東京オリンピックが開催される2020年に合わせてカジノを始めるということでしたが、現在では難しいと言われています。

というのは、カジノ法案は、基本的に、整備を統合型リゾートのために進めるというもので、統合型リゾートについてのおおまかな方針などを決めるものであるためです。カジノを始めるためには、統合型リゾート実施法案というより内容が具体的なものの成立が必要です。

上手く進むと、この法案は1年のうちに成立する予想です。この法案が成立した後でも、カジノを作る場所の決定、施設の建設など、多くのやるべきことがあります。そのため、カジノが実際に始まるまでには、まだ長く時間がかかるようです。

カジノはどこに作るか?

では、カジノはどこに作るのでしょうか?東京都、大阪府、北海道、神奈川県、長崎県、沖縄県が、カジノを作る候補に上がっています。特に、東京都、大阪府、長崎県が有力であると言われています。東京都は、カジノを作る候補地として会議場やホテルがあるお台場などを挙げています。

東京は、非常に交通の便もよく、日本の首都でもあるため、よく集客できるので候補地としては有力です。大阪も、国際博覧会を2025年に開催し、交通の便がいいため、国際博覧会とカジノのシナジー効果によって全体の関西経済を活発にするということもあり、積極的にカジノを作りたいという意欲があるようです。

しかし、意見としては、都心のように経済がある程度すでに活発になっているところにカジノを作るよりも、地方に作る方がいいというものもあります。そのため、長崎県が有力と見られています。長崎県の場合は、候補地として佐世保市のハウステンボスの付近を挙げています。このような地域以外にも、今後カジノを作りたいという地域が登場してくることも十分に想定されます。どこに日本で最初のカジノができるか今から楽しみです。

コロナの影響でカジノ建設に遅れ

日本にカジノが建設されることはもう決定しているのですが、まだどこの都道府県のどこの場所にどのカジノが建設されるかが決まっていません。上記であげたカジノ誘致を行っている都道府県では東京オリンピック後にカジノ建設完了に向けて様々な動きをとっていましたが、2020年に発生したコロナ問題の影響でカジノ建設の話が影響を受けてほとんど進んでいない状態です。

日本にカジノ建設を目指す海外カジノもコロナの影響でかなりの減益があり、日本への進出を諦めたカジノもあると聞いています。あとは、各都道府県でもコロナ禍でカジノの話を進める余裕などないというのが現状だそうです。当初は2025年くらいまでにはカジノ建設が完了するだろうと予想されていますが、このままコロナの問題が続けばまだまだカジノ建設は先になりそうです。

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公開済み: 2018年5月10日

山口 秀樹 コンテンツライター

1983年に大阪で生まれ、高校卒業後にイギリスでビジネスを学びました。オンラインカジノやカジノゲームに関する有益な情報を提供することに専念しています。ギャンブル業界で働きながら、多くのオンラインカジノを試してレビューし、プレイ経験を活かして、ユーザーがカジノゲーム(特にスロットゲーム)、ギャンブル戦略、スポーツベッティングなどに関する関連情報を得られるよう支援しています。